その飛行機大丈夫?万が一の明暗を分けるモントリオール条約

飛行機に乗って楽しい旅、また優雅な旅。私も飛行機が大好きです。しかし、時として乗る以上は確率は限りなくゼロに近いけれどゼロにはならないもの、それが航空機の事故です。




航空機事故とロストバゲージの補償

墜落とまてばいかなくとも、離着陸の失敗や乱気流での負傷、はたまた手荷物の破損やロストバゲージ。

事故の遭遇確率は交通機関の中で一番低いものの、遭ってしまうと生死に関わることだけに、全く気にせずいるということは出来ません。そして、ロストバゲージについては、誰もが遭ってしまう災難かもしれません。

しかし、万が一事故やロストバゲージに遭ってしまった場合、乗っていた航空会社、また持っていたチケットによって補償が大きく変わってしまうことがあります。

今回はそんな航空事故に遭った場合の補償を決める航空国際条約『モントリオール条約』を見てみます。

日本も加盟しているモントリオール条約

モントリオール条約は、航空機事故があった場合の最低補償額や裁判を管轄する場所を定めた条約で、1999年にカナダ・モントリオールで採択され、ここ日本は2000年に締結され2003年に発効された条約です。

http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/12/120926_2_.html

『モントリオール条約発効について』国土交通省公式サイト

現在は世界のほとんどの先進国で加盟していますが、一部の国などでは現在も未加盟国があります。

モントリオール条約では事故が発生した場合、搭乗していた旅客への補償として航空会社の責任がある場合、ない場合を問わずに最低補償額が約1800万円、上限は無しと決められています。

また、旅客の延着は約74万円、手荷物についての補償は約18万円となっています。

金額を決める単位はSDRという単位で算出されます。1SDRは約180円換算です(2015年時点)

SDRは特別引出権という国際通貨基金が設定している単位となります。

時代に合わないワルソー条約

ワルソー条約は1953年制定のモントリオール条約より前に制定された条約です。

このワルソー条約では航空会社の責任が認められた場合に日本円で280万円上限の補償額となります。また、モントリオール条約では航空会社の責任があってもなくても、でしたがワルソー条約は航空会社に責任が認められなければ補償はありません。

また、モントリオール条約では、もし航空会社を相手に裁判を起こす場合の管轄地も、乗客の住む国や場所で裁判を起こすことができますが、ワルソー条約では航空会社の所属する国のみでしか裁判を起こすことが出来ないため、モントリオール条約と比較すると大きな差があります。

モントリオール条約が適用される場合

モントリオール条約が適用される場合と適用されない場合をみてみます。

まず、台湾、香港、インドネシア、ベトナム、ロシア、トルコなどがモントリオール条約非加盟国です。

出発地と到着地両方がモントリオール条約加盟国であることが必要

日本から台湾(台北)へ向かった場合を見てみます。この時に片道のみのチケットですと、日本(加盟国)→台湾(非加盟国)のためモントリオール条約は適用外です。

往復のチケットであれば、日本(加盟国)→台湾(非加盟国)→日本(加盟国)となるため、モントリオール条約が適用されます。

乗り継ぎがある場合

同じく日本から台湾(台北)を経由して、台湾(高雄)へ向かう国内線へ乗り継ぎをした場合です。

高雄までの全ての行程が含まれた往復航空券であれば、台湾国内線部分もモントリオール条約の対象となりますが、日本→台湾(台北)の往復と、台湾国内線となる台北→高雄を切り離して手配した場合、台湾国内線部分は非加盟国の国内線となりモントリオール条約の対象になりません。

このように航空券の発券方法で大きな差が出ます。

行き帰りで違うチケットをそれぞれ手配したり(オープンジョーは一括で発券のため往復とみなされます)、他のインドネシアやロシアなど、乗り継ぎ国内線がある場合には注意が必要です。

日本の常識と他国の常識は違う

命の値段というものは本来つけるべきものではありませんが、起きてしまったことに対してはどうしてもつきまとうお話で避けることは出来ません。

日本では過失利益がどうだ、賠償額がこうだとなることでも、ワルソー条約では相手国でしか裁判は起こせませんし、相手国の価値観ではどう捉えるか見当もつきません。

事故まではいかなくとも、延着や手荷物の紛失や破損の補償となれば身近な話です。ここでもモントリオール条約の適用か否かで明暗を分けることもあります。

まとめ

普段はあまり見ることのない航空会社の運送約款を読んで見るのもいいかもしれませんね。

ワルソー条約しか適用されない条件下で利用する際は海外旅行傷害保険が付帯していたり、延着補償や手荷物補償のあるクレジットカードを利用するなど、しっかりと自衛策を取っておくことが重要なのかもしれませんね。

(そういう意味ではspgアメックスは有能だな、と改めて気付かされます)

お役にたてれば幸いです(՞ةڼ◔)☝