クレジットカード死蔵はなぜしてはいけない?その理由と警鐘

クレジットカードにまつわるワードとして『死蔵』という言葉があります。意味は字のごとく『クレジットカードを全く使わずに、発行後そのまま使わずに取っておく』を指します。

このクレジットカードの死蔵ですが、ポイントサイトでのポイント→マイル目的でクレジットカードをたくさん発行したりすると、当然ながら必要以上に手元にカードが残るわけです。

本当にそのカードが必要で発行したわけではなく、あくまでポイントサイトのポイントが目当て。カード利用は当然ながらすることなく、いわゆるタンスの肥やしとなります。

さて、このクレジットカードの死蔵。ネット上では死蔵を勧める陸マイラーブログもあったり、危険を唱える陸マイラーブログもあったり。果たしてこれはどちらが正しいのでしょうか。




結論を先に書けばカードの死蔵はネガティブ

先に結論を書いてしまえば、総じてカード会社からはネガティブな判断をされることは間違いありません。

『そんなの、利用してないんだから関係ないんじゃないの?』と思う方もいるかもしれませんが、答えはノーです。

【多重申し込み】をテーマに記事を書いた時にも取り上げましたが、あなたの年収に対してのクレジットカードの利用可能限度枠というものは月賦法や総量規制などの法令や省令、担保状況によってある程度決まってきます。

月賦法や総量規制というものは、過剰な貸付や与信を行うことにより自己破産や個人再生などの、いわゆる多重債務による金融事故を防ぐための法律や省令です。さらにまた別に金融庁ガイドラインなどもあります。

『いや、だからカード使ってないから。カネ借りてないから。』と反論がありそうですが、この部分が重要です。

過剰な貸付と与信なんですね。

クレジットカード死蔵

(プロセシング会社キュービタスの途上与信フローチャートから引用。途上与信はこのように行われる)

当然ながら、使ってはいないものの多重債務者予備軍としてカードを大量に保有している状態なのか、はたまたポイントサイトのポイント欲しさに申し込んだものなのか。この判断はクレジットカード会社の審査顧客管理=プロセシング部門からすれば、当然どちらなのかわかりません。

営業部門ですら、広告代理店に任せているのでわからないでしょう。また、それがわかったところで別に関係もありません。

例え話にするとわかりやすい

例えば、あなたがクレジットカード会社のプロセシング管理部門だったとします。

Aさんという、それはそれは優良な顧客がおりました。

Aさんの年収は500万円。支払いの遅れもなく、他にクレジットカードは定期的に途上与信審査をかけていますが、他で一切増えていることはありません。カード会社のプログラム的に月賦法や総量規制に対してのギリギリの利用可能限度枠、200万円を付けておりました。

ところが。

ある日、自動的に法定途上与信をかけている信用情報参照プログラムから要注意のフラグが付いた状態でAさんのデータが上がってきます。この3ヶ月で、Aさんに対して他社のクレジットカード発行が何件もあります。しかし、全く利用はしていないようです。他社の利用残高はゼロのまま。

そしてさらに半年後。カードの枚数はどんどん増えていきます。しかし、他社の利用は相変わらずしていないようです。

最初は1枚だったクレジットカード。1年後には10枚をゆうに超えています。利用は全くしていませんが、他社を含めてクレジットカードの利用可能限度額はトータル500万円に届きそうな勢いです。

利用こそしていないけれど、急激にこの1年クレジットカードの枚数が突然増えている。これを一気に使用された場合、回収不能となりリスクを伴うのではないか?という判断が働くのは当然、理解するに容易いことです。

さて、ここでクレジットカード会社はどのような対策を取るでしょうか?

答えは簡単です。まずは利用可能限度額を下げてAさんの様子を見ます。

この場合、急激な信用状態の変化に該当します。

クレジットカードの契約の約款は細かかったりして意外と読んでいない方が多いと思いますが、実はちゃんと信用状態の変化について限度額を変更することはちゃんと約款に盛り込まれているんですね。これはどの会社も共通です。

そして、限度額を下げられたことでAさんからクレームが来ました。

『オレはポイントサイトのポイントが欲しくて他のカードを申し込んだだけなんだ!!マイルだマイル!!なんで限度額を下げたんだ!!』

さて、プロセシング担当者があなたであればどう判断するでしょうか。もちろんこれは仕事です。

クレジットカード=金融業はボランティアではありません。

クレジットカード死蔵

『知るか!!』ではないでしょうか。

とまぁ、こんな感じです。

ただ、実際のところは全て機械によるコンピュータ管理なので、個人的な感情も想いもクソもなく淡々と処理されるんですけどね。

例えコールセンターにクレーム付けたところで『当社の総合的な判断によるものです』ではい終了ー、なんですけども。

死蔵に対するカード会社から顧客への対応

もちろん、死蔵された側のクレジットカード会社からのアクションはあります。特に年会費無料だからいいや、寝かせても損はしないし~、と考えがちですが、実はそれが危険です。

利用してもしていなくてもコストがかかる

クレジットカード会社は顧客がカードを利用してもしていなくてもコストが発生します。それは、カードの発行や発送に関しての費用だけではありません。顧客=カード会員の維持にも費用がかかるのです。

クレジットカード死蔵

信用情報機関に法定途上与信照会や利用登録をかけるたびに費用が発生します。照会をかけるタイミングは各社異なりますが、全く利用がなくても法定途上与信として3ヶ月~半年ごとに定期的に信用情報へ照会をしなくてはいけないわけです。

収益にすらならない、カードを全く利用しない顧客にダラダラを維持費を払う会社は基本ありません。年会費無料のカードに多いのですが、この場合は強制解約や更新拒否という形で終わることが多いです。

想定されるカード死蔵の影響力

先にも書きましたが、当然ながら他のカードへの限度額の変更や契約の続行を行わないかの判断に影響が出ます。また、新規での住宅ローンやカーローンを予定している人にとってはいいことは何一つありません。

教育ローンなどを計画されている方や、今後のライフプランに影響するようなことはしないのがセオリーです。

やっていいカード会社とダメなカード会社がある

実際のリアルなところはここなんです。各社考え方や審査基準がそれぞれ異なるわけですから、これは当然とも言えます。

まず、年会費が高額なカード。カードに付帯されている保険が強いカード会社については、与信による利用可能限度額の変化はあっても、強制解約の考えは当てはまりません。

また年会費が無料でも、維持費がかかることで死蔵を嫌う会社と、持っていれば使ってくれることを期待して、という会社と真っ二つに方針は異なります。

いずれにせよ、毎月少額でもしっかりと決済が行われているカードについてはフラグは立ちにくくなります。

ただし、グループのシナジー効果を狙った提携カードなどについては、グループでの利用実績が全く無いと厳しい判断を出すカード会社もあります。

死蔵する場合の対策方法

さて。最後に死蔵の方法を書くのはちょっといやらしい感じですが、腹をくくって死蔵するならば、これをやっておくと良いというものを書き出しておきます。

やっていいカード会社とやっちゃダメなカード会社をちゃんと知っておく

とりあえず私が知る限りでやたら死蔵に厳しいと有名なのは3社ほどあります。特に2社は大手であちこちのポイントサイトに数多くの広告を出しています。

この2社は死蔵は絶対にやらない方が良いと思います。特にその1社は止めるまでのスピードがやたら早いと有名な会社です。

もう1社の方は、ほぼ更新拒否で終わるパターンとなります。以後その会社での新規カード発行はされなくなります。

『具体的な社名出せ!!』と言われるかもしれませんが、さすがにここへは書けません。

ヒントまでにしておきます。3社とも東京が本社、うち2社は流通系クレジットカードのプロパー発行です。これでお察しください。ピンと来た方、検索で調べてわかった方は今後お気をつけください。

多重申し込みを趣味としている人の真似をする

何年もかけてクレジットカードを集める方々がいらっしゃいます。特化ブログもありますので探して参考にしても良いかもしれません。

元本職からすると、うーん、この人たちホント上手いなぁと思います(笑

作った場合は少額でもいいので必ず使うこと

クレジットカード死蔵

本当にこれに尽きます。利用が全くないものよりも少額でも利用があった方が断然違います。公共料金や有料サービスの支払いに設定したりなど、定期的な利用があればまずこの問題は起きません。

なお、クレジットカード界の有名な大御所の方が作られたpay-palを使用した1円決済システムというものも存在します。興味のある方は検索してみてください。

クレジットカード死蔵についてのまとめ

多重申し込み同様に、クレジットカードの死蔵は本来の生活ではまず行うことがないことの一つです。それゆえ、リスクや対策などをしっかりと認識しておくことが必要です。

一部のマイラーブログで死蔵や多重申し込みを勧めるものがありますが、こういったリスクの説明は全くされていないことが多いです。

もちろん、ちゃんとしている方は少しでも使用することをブログ内で念押ししていますが、『これは死蔵としておすすめ』『大量マイル獲得!!お祭り!!』と書いている方々が、これからあなたに起こりえる不利益の責任を取ってくれるわけではないんです。何を言っても自己責任となります。

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関連記事として、多重申し込みのリスクについても説明をしています。またどのように記録されているか、信用情報の開示についても取り上げております。どうぞこちらも併せてお読みください。

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