
『損益分岐点』という言葉があります。商売で値段を付ける際、商品を仕入れた値段に様々な人件費や諸経費を乗せた上で、この金額より上なら利益、下なら損という、いわゆる『プラマイゼロ』の地点です。
普段貯めているマイルにしても、この『損益分岐点』を考え出すと、1マイルの価値がいくら相当で、どの使い方が得でどれが損な使い方、という話になります。
マイルの価値は貯めてきた経緯で変わる
正直、細かい話をしてしまうとキリが無いんですね。
普通の買い物で得たポイントやマイルであれば、現金でポイントカードも何も出さずに買い物すれば本来無かったものが100~200円あたり1ANAマイルとして生み出されていますし、ポイントサイトのポイントをマイルに交換したのならば、交換率もポイントサイト1円分のポイント=0.5~0.81ANAマイル、と幅があるでしょう。
『バイマイル』、マイルを購入するのと同等のことで手に入れることがあったかもしれません。
それを合算して…となれば、計算するのが好きな方ならいいんですが、気軽に陸マイラーをやる、というスタンスからすれば面倒です。
正直そこまで考えるのは、日頃楽しみながらやっている自分だったとしてもちょっとな、って感じです(苦笑
他のポイントを基準に比較する
そこでまず、いつもとは逆にANAマイルを他のポイントへ交換をした場合を見てみます。
楽天ポイントを例に取れば、10,000ANAマイル=楽天ポイント10,000ポイントとなり、楽天ポイントは1ポイント1円として利用出来ることから、1ANAマイルは1円の価値がある、ということがわかります。
もちろんマイルを得るための交換レートを全く考えなければ1円として考えても良いですが、マイルを得るためにポイントサイトで1ポイント=1円で使えたものをレートが下がる中交換した場合、『はい、1マイルは1円です』と結論づけることはできません。
また、ある程度大量にマイルを保有していて、ANAの上級会員(ダイヤ・プラチナ・ブロンズメンバー)であった場合、50,000マイル以上をANAのマネーとして使える『スカイコイン』と交換した場合は、1マイル→1.7スカイコインとなります。
となると、損益分岐点というのは、他のポイントサービスの価値と比較しての1円=1マイルでもあれば、ソラチカルート→最大限のレートでスカイコインに移行した場合の1.37円=1マイルとも言えます。
ポイントサイトから50%のレートでそのまま移したのであれば2円=1マイルかもしれません。
それぞれの状況や貯めてきたルートで、一言では言えないのです。
購入した場合の運賃とマイルの比較
比較対象として同じANAの格安な運賃、例えば旅割などと比較してみます。
一例で東京→沖縄の朝1便目、ANA461便の運賃での比較です。
マイルで取ることが出来る特典航空券は、搭乗の2ヶ月前から4日前まで抑えることが出来ます(※2018年10月28日以降の搭乗分からは、ダイヤ発表日から前日まで取れるようルールが変更となります)
旅割55で普通に購入した場合は16,990円です。マイルを使用した場合は9,000マイルとなります。マイルの損益分岐点の価値は1~2円と先程書きました。
9,000マイル=1円でしたら9,000円。これならば得です。そして、1マイル2円で貯めてきた方にとっては18,000円となるため損となります。
出発の日が迫ると、航空運賃は高くなっていきますが、この場合はどうでしょうか。
特割3で購入した場合は35,890円と価格は上がりますが、特典航空券の場合、必要マイル数は9,000マイルと変わらないため、1円であろうが2円であろうが、この場合は得となります。
※注意※
出発の日が近くなれば近くなるほど、マイルで取ることが出来る特典航空券の数には限りがあるため、販売している席に空席があってもすでに埋まってしまっている場合があります
国際線の場合はさらに顕著です。マイルのお得さを表すのにお馴染みですが、東京→ニューヨークをファーストクラスで利用した場合、通常で購入するのとマイルで特典航空券として取るのとを比較してみます。
東京⇔ニューヨーク間のファーストクラス往復+諸費用で約220万円です。
ファーストクラスには格安運賃が存在しない(航空会社による価格差はありますが)ため、ANA便でのファーストクラス往復の値段はこの価格となります。
マイルを使用した場合は15万マイル+諸費用となります。
単純な計算としても、220万円÷15万マイル=1マイルの価値は14円まで上がります。
このように、国際線の特典航空券には燃油サーチャージや税金(国内線はかかりません)を加えたとしても、通常に購入するよりもマイルの方がお得になります。
マイルは使って初めて価値が出る
それゆえ、マイルの価値を最大限発揮できるファーストクラスやビジネスクラス、人気路線などの特典航空券は国際線の特典航空券を予約できる355日前から激しい争奪戦となります。
『全く取れない』というわけではありませんが、シーズンやANA上級会員であるか否かにも差があるので取れることを前提に貯め続けてしまうと、もし取れなかった場合のダメージは計り知れません。
『転んでも泣かない、転んだらすぐ起き上がって他を模索する』という位の気持ちは必要でしょう。
まとめ
先にも書きましたが、日頃貯めているポイントで付加価値の結果、現金で買い物をしていればこのマイルはあり得なかった、ポイントサイトを利用しなかったらこの飛行機に乗ることもなかった、という考え方であれば損も得もありません。元々無かったものから生み出されたお得ということです。
数字で言えば、損益分岐点は1ANAマイル=2円です。特典航空券の必要マイル数がその時点で一番安い航空券より下であれば損ではありません。
ただ、せっかく貯めたマイルだからこそというのもありますし、ハッキリ書いてしまえば1マイルの価値は5円分にも10円分にも化けます。ただ、使わないことには価値は出ません。
結果、最大限の価値にして利用することがもっとも得となります。
それゆえ結局のところは、マイルの価値って『得したな』って自分が思えるか思えないか、じゃないかと思います。
使い方は色々ですが、楽しめたらそれでいいんじゃないかなー、と個人的には思って今日も貯めてます。
参考になれば幸いです(՞ةڼ◔)☝