
クレジットカードの申し込みで注意しなくてはいけないこととして、よく取り上げられるのが短期間で一気に複数のクレジットカードを申込する『多重申し込み』。
ポイントサイトのポイントを目当てにクレジットカードを申し込みする方も多いと思いますが、今回はそのデメリット、また実際に行う場合はどのようにしたらよいのかを考えてみます。
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信用情報には何が載るのか
まず、私たちがクレジットカードを申込をすると、申し込みを受けたカード会社は信用情報に『契約照会』という記載をします。この契約照会は信用情報機関に6ヶ月間保管されます。
この契約照会は何かというと『カード会社が審査のためにあなたの信用情報を見ましたよ』という足跡のようなものです。
カード会社は審査の結果、カードを発行する場合は続けて『成約情報』として記録します。よって、カードが発行されていれば契約照会は1件、成約情報は1件という記載になるので、申込→成約ということがわかります。
審査に通らずお断りとなれば契約照会は1件、成約情報は0件となり、申込に対して成約の数が一致しないためカード審査に落ちたということがわかるという仕組みです。
カード会社が審査のためにあなたの信用情報を見ました、という契約照会はその場リアルタイムで信用情報に記載されます。
CICは日にちだけでなく時分、さらに秒単位まで記録しています。もちろん申込の日時やカードの成約日も記録されていますので、どの時期に申込をして成約になったかがわかります。
成約が信用情報へ載るまでのタイムラグ
しかし、審査が通りカードを発行するまでにタイムラグというものが必ず発生します。契約照会自体はあるものの、成約情報にはまだ載っていない状態というわけです。
成約情報の記載タイミングは実際のところ各社まちまちです。カードを郵送して受け取ったことを確認出来た時点で記載する会社もあれば、約2ヶ月後に記載をしているというカード会社もあります。
カード会社は他社申込情報の何を見ているのか
カード会社はそれぞれ各社ごとに審査基準を持っています。
審査基準は社外秘のためブラックボックスですが、カード会社によってそれぞれ特色はあります。申込情報が1件でもあればそのまま審査落ちとなる会社もありますし、極端を言えば20件で審査を通した会社もあります。
例えば、今まで普通にカードを持っていて普通に生活をしてきた人が、マイルを貯める方法としてポイントサイトでクレジットカードを発行して、ポイントを貰うということを知ったとします。
当然、今まで利用してきたカードは最初にカードを作った契約年月日が記載されています。
ところが、マイルが欲しいばかりに急激に多数のカードの申込をし始めた客に対して、カード会社はどのように判断するのでしょうか。
まず、金策に走っているのではと当然ながらカード会社は警戒します。
今まで決まったカードしか利用していないところに、一気に大量の申し込みをかけているのですからその考えは自然です。もちろん、2~3件程度であれば問題はないでしょうが、5件も6件も申し込みをしているとなれば、そのような判断がカード会社側で働くことは容易に推察出来ます。
しかし、クレジットカードの新規発行はポイント大量なだけにカードが欲しい。では、どのように対処していけばよいのかを考えてみます。
多重申し込みで気をつける4つのこと
世の中にはクレジットカードの多重申し込みを趣味とする方もいらっしゃいます。その方達が取っている方法を倣ってみると、おおまかに以下のことがわかります。
①今まで持っていた不要なカードはまず先に解約している
②審査が厳しい会社から順番に申し込みをしていく
③キャッシング機能のあるカードは、ポイント付与の条件にない限りゼロにする
④審査が通らないカードが出た時点でやめて、半年期間を空ける
①今まで持っていた不要なカードはまず先に解約している
年収や今までの利用実績などの状況から総合的に判断して、カード会社は利用限度額を設定しています。
当然ながら、現在持っているカードの保有状況や、途上与信と呼ばれる利用状況の途中審査によって利用限度額は決められています。
このため、予め先に不要なカードを解約しておき、年収などに対して利用限度額を下げておき、カードの審査を通りやすくしているわけです。
②審査が厳しい会社から順番に申し込みをしていく
審査基準が厳しいカードほど他の会社の申し込み履歴を嫌がります。『他で申込してんだから、ウチ出さなくていいよね?』ってことです。
このため、申し込みの順番をしっかりと事前に考えておくことが必要です。ポイントサイトでのポイントが大きい順番で申し込みをするのは好ましくありません。
③キャッシング機能のあるカードは、ポイント付与の条件にない限りゼロにする
こちらは総量規制という多重債務を防ぐための法規制が絡んでくるお話となります。
クレジットカードのショッピング利用限度額については現在総量規制の対象とはなっていませんが、現金を借りるキャッシングについては銀行カードローンを除いて年収に対して3分の1まで、と決められています。
このため、現在持っているカードに付帯しているキャッシング限度額についてしっかりと把握しておき、極力キャッシング機能を付けないようにすることで回避出来ます。
また、ポイントサイトでのポイント付与条件としてキャッシング機能を付けること、となっている場合はキャッシング利用希望額を最小限にしておく必要があります。
④審査が通らないカードが出た時点でやめて、半年期間を空ける
こちらは審査に落ちた時点で、それ以上情報の消える半年間は申し込みを控えるという点です。
一つ落ちてしまうと、その後他のカードの申し込みをしても『他で落としてるからウチも』という判定を出す会社も出てきます。申し込み情報がクリアされるまでは控える、ということになります。
多重申し込みの弊害は?
断りの記録が残っている半年間は、クレジットカードに限らず銀行などの融資が厳しくなるのは明白です。よって、住宅ローンや車のローンを予定している人は避けるべきです。
また、新しくカードが増えたことにより、今まで持っていたカードの途上与信に引っかかると、利用限度額が下げられたり、更新が近い場合には更新拒否(強制解約)の可能性はゼロではありません。
よって、この2点については充分注意をする必要があります。
申し込み履歴を自社内に残す会社もある
これはカード会社によって異なりますが、信用情報だけが申し込み記録を残すわけではありません。
一例として、他社で断られていることを判定の理由として発行を見送ったカード会社があるとします。その半年後に、再度同じカード会社へ申し込みをしたとします。
この申し込み情報を自社内に保管している会社は、半年空けて次に申し込みが来た場合『以前にもこの人、申し込みしてきたよね?』と審査時に半年前の情報と見比べるわけです。
特に破産や金融事故を起こした人に対して、信用情報が消えてからの申し込みチェックに使われることが多いのですが、前に申し込みをした際の状況があまりにもよろしくなく、明らかに前回との申し込み内容が異なる場合は、虚偽内容の申告を疑われ、再度審査落ちとなります。
たまにある『どうしてもあそこのカードだけ審査が通らない』というのは、それが理由かもしれません。
プロセシング専門会社『キュービタス』
カードの審査は各社独自で行なっていることが多いのですが、一部のカード会社はユーザービッグデータの活用や効率化のために、審査を含めた管理業務=プロセシングを専門とする会社へ審査を委託しています。
ビッグデータの活用というのは、今までクレジットカードを利用してきた人の属性、つまり年齢や職業、年収や支払い状況、金融事故発生率や状況などがデータ化され、貸し倒れになる確率などが計算されることです。
当然カード会社は破産などで貸し倒れになったり、延滞で回収コストが発生することが一番のリスクです。
このリスクヘッジのために、各社から依頼された審査基準を元に、専門で審査判定をするプロセシング事業を行う会社がキュービタスとなります。
キュービタスが審査を行っているカード会社はオリコ、ビューカード、セゾン、UCカードなどがあります。
http://www.qubitous.co.jp/about/results.html
▲キュービタス受託会社一覧(公式サイト)▲
まとめ
多重申し込みは、普通の生活を行なっているとまず行うことが無い内容です。それを踏まえた上で綿密に行なっていく必要があります。
多重債務になりかけて金策のためにクレジットカードを欲しがっている人と、マイルを貯めたくてポイント欲しさでカード申し込みをしている人との区別は、当然ながらカード会社にはつきません。
一気にマイルを得られる方法ですが、『緊急速報!!お祭り!!大量マイル一撃!!』などの情報に惑わされ飛びつき、自身の信用情報に傷を付けることの無いよう、注意をしながら計画的に行うことが重要です。
お役にたてれば幸いです(՞ةڼ◔)☝
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